YKアワーズ2019年2月号・Depth103感想。
まずは前半で展開されたいおりさんの部分について。登場当初からの
キャラの印象的にどうしてもちびイオナと戯れているメカニック担当
でおっぱいな子,というイメージがついてまわりますが。後々明かさ
れているように四月一日重工の跡取りでもあるお嬢様というのがその
正体なんですよね。作画背景とお召し物が変わればそのイメージも
ガラッと変わるわけでして。

統制軍総合病院にて療養中という事のようですが,そんないおりさん
に差し入れがという事で。「せいぜい話を聞いてください」のくだり
にウチのキリシマがどうもすみません,的なニュアンスを感じる。

というわけでラッピングされた包装紙を突き破って出てきたのは
ズゴックでもベアッガイでもなくキリシマでした。


「私は霧の大戦艦キリシマ」からの即「キリクマ…さん?」に吹く。


割愛しますがセキュリティの厳重さにキレまくったキリシマに思わず
すみません…となるいおりさんでしたが。どうやらキリシマ的には
いおりさんの扱いが面白くないという事のようで,401のクルーでも
あるいおりさんに一目置いているのと,人類視点では霧に対抗し得る
存在たる彼らの待遇という点に於いてこの仕打ちは許し難いという
感情もあるようで,霧の一員でもあるキリシマがいおりさんの不遇を
嘆くという構図はちょっと面白いところがありますね。


んでもって。いおりさん視点では自身と接点が無い霧の大戦艦が
いきなり自分を訪ねてきたという事で,こういった反応を示すのも
無理はないかと思われますが。逆にキリシマの視点に立って考察を
するならば。本人は「とにかく私はお前に会いたかったのだ」の
一点張りでしたが,いおりさんと過去を共有する事によってキリシマ
自身がいおりさんに感情移入をして突き動かされるものがあったと
いうのは興味深いファクターではありますね。しかも恐らくはハルナ
の反対を振り切って,余計なリスクを背負うのは承知の上でいおり
さんにわざわざ単独で会いに来たって事ですし。




Depth088に於いて描写されましたが。
四月一日(わたぬき)家の親子の確執というのは,霧に蹂躙された過去
を持ち彼らを人類に仇なす者とする世代と,霧の持つ超テクノロジー
に可能性を見出し彼らと接点を持つ事により道を切り拓いていこうと
する世代の確執でもあるわけで。ある意味人類全体にもこの構図は
当てはまっているわけなんですよね。そういう意味ではキリシマが
この先いおりさんに対してどのような言葉をかけるのかというのは
個人的には興味深いところではありますね。


勿論,展開面から察するに一旦メインステージから退場してしまった
いおりさんを戦線復帰させるためにその舞台装置としてキリシマが
彼女を病院から連れ出す役目を負ったという側面は多分にあるのかも
しれませんが。
人類は霧とどう向き合うべきなのか?或いはその逆もまた然りですが
これは作品の重要なテーマの一つでもあると個人的には思うので,
そういう観点からもいおりさんとキリシマの間にこの先どのような
会話が発生するのかにも注目をしてみたいところです。
後半部分の描写は401。白鯨が哨戒艦隊に補足された可能性を懸念
したイオナがかねてからのプランに沿うかたちでナガトに対する陽動
に打って出ようとしたわけなんですが。

ナガトに対し機先を制したつもりがどうやら先手を打たれたという事
のようでして。


いきなりの直上に大戦艦ムツが!という引きになり401クルーは勿論
読者的にも意表を突かれた展開となりました。なんとも不安が募る
描写での今号の幕引きで個人的にも群像の不在というファクターが
さらに不安感を煽ってくれる印象です。某DBの台詞ではありませんが
群像ー!早くきてくれー!な気持ちにさせられますが実際問題そうは
いかないわけで。どのように事態を打開していくのか,次号以降の
展開が見ものではあります。当初のプランに狂いが生じた事で白鯨
周辺の動向にも注目が集まりますね。こちらもレパルスさん込みで
どういった動きになるのか,気になるところです。

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